賃貸の外壁にひび割れを発見したら|大家に修繕義務はある?
賃貸の外壁にひび割れを発見したらどうする?
この記事を読むための時間:3分
賃貸の外壁にひび割れを発見したら、どう対処するべきなのでしょうか?大家さんに報告して修繕してもらうべきか、放っておいても大丈夫なのか、迷ってしまいますよね。この記事では、外壁のひび割れの種類別の危険度や放置するデメリットを紹介します。また、大家さんに修繕義務があるのかどうかについても解説しますので、気になる方はぜひ参考にしてください。
目次
外壁のひび割れ(クラック)の種類と危険度
外壁のひび割れ(クラック)は、大きく4つの種類に分けられます。ひび割れの種類によって特徴や危険性が異なるため、知っておくことでより適切な対処ができるはず。そこでまずは、外壁のひび割れの4つの種類と危険度について紹介します。
ヘアクラック
ヘアクラックは、髪の毛のように細いひび割れのこと。詳しくは幅0.3mm以下、奥行4mm以下のひび割れで、外壁表面や塗装にのみひびが入った状態です。主に経年(紫外線など)による劣化が原因ですが、適切でない塗装方法を行なった場合などにも引き起こります。ヘアクラックは、基本的に建物の外壁材や鉄筋などに重大な影響を及ぼす可能性が低いため、修繕を焦る必要はありません。
乾燥クラック
乾燥クラックは、モルタル壁でよく見られるひび割れです。モルタルなどの外壁材には水を使用した湿式工法を用いられており、その乾燥過程で水分が蒸発することでひびが入ります。素材が完全乾燥すると収縮は止まり、それ以上大きくなることはありません。0.3mm以下のヘアクラックでであれば危険度は低いです。
構造クラック
構造に影響を及ぼす可能性の高いひび割れです。幅0.3mmを超える大きさのクラックは、構造クラックの可能性が高いと言われています。構造クラックの原因は、建物の構造的な欠陥や、地震、不同沈下、小さなクラックの悪化など。外壁材までひび割れが起こっており、構造の補強をしない限り歪みなどが広がり続けます。放置すると建物の強度が低下する恐れがあるため、できるだけ早い補強を検討してください。雨水の侵食による腐食などが発生する可能性もあります。
縁切れクラック
モルタル壁などの湿式工法を用いる壁で見られることのあるひび割れです。湿式工法では通常、一度で一面を仕上げてしまいます。しかし、途中で作業を中断していたり、部分的にやり直したりした場合、塗りの継ぎ目が「縁切れ」を起こしてひび割れていまうのです。縁切れクラックは構造クラックを引き起こす危険性が高いため、注意する必要があります。
賃貸の外壁のひび割れは修繕してもらえる?
住んでいる賃貸の外壁にひび割れがあると、不安になりますよね。民法第606条においては、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」などと定められていますが、賃貸の外壁にひび割れがあった場合、大家さんに修繕の義務があるかどうかは「生活に支障をきたすか」がカギとなります。詳しく見ていきましょう。
生活に支障をきたす場合
大家は借り主に、賃借物を契約内容や賃貸借の目的やにかなった状態で提供する必要があります。使用収益にきたす、つまり、生活に支障をきたすような不具合には修繕の義務が生じる可能性が高いです。雨漏りなどの被害がある場合は修繕に応じてもらえるはず。また、耐震診断の結果、改修の必要があるなどの結果が出た場合も同様です。ただし、ひび割れの原因が借り主の故意過失にある場合は、反対に借り主に損害賠償責任が生じます。
生活に支障をきたさない場合
一方、ひび割れが生活に支障をきたさないものであれば、「修繕は必要ない」と判断され、大家に修繕義務が生じない可能性が高いです。微細なヘアクラックや実害の出ていない構造クラックに関しては、大家さんに修繕の義務があるとは言えません。
賃貸の外壁のひび割れを放置するデメリット
賃貸の外壁のひび割れを放置することにはデメリットがあります。知っておくと、大家さんを説得するのに役立つかもしれません。
建物の寿命が縮まる
ヘアクラックは緊急性が低いひび割れではありますが、何らかの原因により大きくなって構造クラックになる可能性があります。そして、外壁材にひびが入っている構造クラックは、建物に歪み・ズレがある証拠。ひびの部分に力がかかり続けるため、放置すると建物の強度が低下していきます。ひび割れを放置することで、修繕が不可能になる日が近くなってしまうのです。
修繕費用が高額になる
外壁のひび割れは、初期であればあるほど修繕費用を低く抑えられます。ひび割れが深刻化し、腐食やシロアリ、コンクリート・モルタルの爆裂などが起こると、大掛かりな工事が必要に。そうなる前に早めに修繕することで、安い費用で抑えられるのです。
賃貸の外壁のひび割れは大家さんに報告しよう!
「賃貸の外壁にひび割れを発見した時の対処法」について紹介しました。ひび割れは、種類によって危険度が違います。幅0.3mmを超えるひび割れはすぐに大家さんに報告して、対処してもらうべきです。一方、微細なひび割れであれば建物に影響がないため、安心して良いです。しかし、気になる場合は早めに大家さんに報告しておきましょう。
次の記事へ
所沢市 屋根工事 旭ファイバーでカバー工法 S様邸 »