コーキング工事とは?工事の必要性や費用、コーキング材の種類を紹介
家を長持ちさせるためには、建物の内部で起こる劣化現象を防ぐ工事が欠かせません。中でもコーキング工事は、建物の耐久性を支える重要な役割を果たしています。しかし、具体的にどのような作業でなぜ必要なのかを知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では、コーキング工事の役割と工事にかかる費用について解説します。
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目次
コーキング工事とは
コーキング工事は、建物の隙間や接合部分にコーキング材を充填して防水性と気密性を高める作業です。シーリング工事とも呼ばれ、建物の劣化を抑えるためには欠かせません。以下では、コーキング工事の概要についてより詳しく紹介します。
コーキングの役割
コーキングの主な役割は、防水性と気密性の確保です。建物の接合部分や隙間をコーキング材で埋めることで、水分と空気の進入を防ぎます。コーキング材を適切に施工することで音や熱の進入を防ぐ効果もあるため、快適な室内環境を維持するうえで重要です。また、建材同士の動きを吸収する緩衝材としても機能し、建物の耐久性向上にも貢献しています。
コーキングが使用される場所
コーキング材は、以下のように建物のさまざまな部分で使用されています。
- 外壁の目地
- 窓枠やドア枠の隙間
- バルコニーの接合部
- 換気口やダクト周り
- 配管周り
- シンク
- 浴槽
- 洗面台
建物の外装や水回りなど、水と湿気の影響を受けやすい場所は、コーキング材による保護が必要不可欠です。
コーキングの耐用年数
コーキング材の耐用年数は、使用する材料の種類や環境条件によって異なりますが、一般的には10年前後とされています。紫外線の影響を受ける場所では劣化が早く進むため、定期的な点検と必要に応じた補修工事が重要です。
コーキング工事の必要性
建物の接合部分に埋められたコーキング材は時間の経過とともに、ひび割れや肉痩せなどの劣化症状を引き起こします。この状態を放置すると、雨漏りや腐食、カビの発生など深刻な問題が発生しやすくなります。そのため定期的に点検を行い、劣化症状を早期に発見することが重要です。適切なタイミングでコーキング工事を行うことは、大規模な修繕工事を防ぐための予防保全として欠かせません。
コーキング工事の費用相場
コーキング工事の費用は、施工面積や使用する材料、工法によって異なります。例えば、劣化したコーキング材を全て撤去して打ち直す「撤去工法」の場合、1mあたり900円~1,200円が相場です。一方で古いコーキングを撤去せずにその上から新しいコーキング材を打つ「増し打ち工法」は、1mあたり500円~900円と安くなります。
コーキング材の種類と特徴
コーキング材は建築物の防水性能を左右する重要な建材です。使用環境や要求される性能によってさまざまな種類が開発されています。豊富な種類の中から適切なコーキング材を選択するためには、それぞれの特性を理解しておくことが重要です。以下では、主要なコーキング材を3つ紹介します。
シリコン系
シリコン系のコーキング材は耐水性と耐候性に優れており、水回りや窓枠の施工に適しています。ただし、コーキング材の上から塗装できないため、外壁など、塗装が必要になる場所には不向きです。
ウレタン系
ウレタン系のコーキング材は、高い柔軟性と密着力が特徴です。塗装が可能なため、下地処理やALCパネルの目地など幅広い用途に使用されています。ただし、紫外線に弱くシリコン系に比べて耐候性が劣るため、直射日光が当たる場所で使用する際は、耐候性能を持つ塗料を上から塗って保護する必要があります。
ポリサルファイド系
ポリサルファイド系は、耐油性と耐候性に優れたコーキング材です。この特性から屋外での使用に適しており、サイディング外壁の目地などでよく使用されています。価格が比較的高い点がデメリットではありますが、その分耐用年数が10年と高い耐久性を期待できます。
コーキング工事で建物を保護しよう
本記事では、コーキング工事の重要性と作業にかかる費用を解説しました。コーキング工事は、建物をより長く快適に保つために欠かせないメンテナンス作業です。家屋の安全性と快適性を向上させるためにも、専門業者に相談しながら適切なタイミングで工事を始めましょう。