シーリング材の種類とは?素材別の用途や特徴と注意点も解説
シーリングとは、外壁材の目地部分やサッシに充填される充填剤のことで、さまざまな種類があります。シーリングは、用途に合わせて最適な種類のものを選ぶことが重要です。そこで本時記事では、シーリングの種類や用途を解説します。
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目次
シーリング材の用途
シーリング材の主な用途には、以下の3つが挙げられます。
- サイディングのヒビ割れ防止
- 建材の固定
- 雨漏りの応急処置
サイディングのヒビ割れ防止
近年外壁に使用されることの多い「窯業サイディングボード」は薄く硬い素材であるため、地震や気温・湿度の変化によって、膨張や伸縮が起きると、ひび割れたり破損したりするおそれがあります。サイディングボードの継ぎ目に伸縮性のあるシーリング材を充填することで、外壁材への負担を和らげる緩衝材としての役割を果たします。
建材の固定
シーリングは、建材の固定にも役立ちます。屋根の棟板金を固定する釘を打ちこんだ場所に、シーリング材を充填することで、建材のズレや金属屋根の穴あき、ひび割れの補修を行うことができます。
雨漏りの応急処置
雨漏りは放置すると、建物の強度が低下したり、カビやシロアリが繁殖したりするおそれがあります。外壁のヒビや隙間など、雨水が侵入している箇所が特定できる場合は、シーリング材で応急処置が可能です。ただし、あくまで一時的な処置であるため、早めに専門の業者に相談してしっかりと補修することが大切です。
シーリング材の種類
シーリング材の主な種類は以下の6つです。それぞれの特長や用途を紹介します。
- シリコーン系シーリング材
- シリル化アクリレート系シーリング材
- 変成シリコーン系シーリング材
- ポリサルファイド系シーリング材
- ポリウレタン系シーリング材
- アクリル系シーリング材
シリコーン系シーリング材
優れた耐水性・耐熱性を持ち、主にキッチンや浴槽周りの補修に使われます。汚れが付着しやすく、上からの塗装ができないため、外壁のシーリングには向きません。
シリル化アクリレート系シーリング材
高耐候、高耐久が特長のシーリング材です。ガラス周りやタイル、コンクリートに使われます。
変成シリコーン系シーリング材
一般的なシリコーン系シーリング材と違い、硬化後に上から塗装することができます。外壁やカーテンウォールの目地などに使われます。ただし、常時濡れる箇所には向かないため、使用箇所に注意しましょう。
ポリサルファイド系シーリング材
接着性が安定しており、表面の仕上げ性が良いことが特長で、石材やタイル目地に使われます。高温・高湿時には発泡するおそれがあります。
ポリウレタン系シーリング材
塗装適性が高い特長を持ちますが、対候性がよくないため、屋外で使用する場合は上から塗装する必要があります。また、高温・高湿時に発泡するおそれがあるので、注意しましょう。
アクリル系シーリング材
アクリル系シーリング材は、水性で取り扱いが簡単なことがメリットがです。一方、水分が揮発して硬化するため、硬化後に肉痩せがあります。また、耐候性が悪く水に触れる箇所には使用できないため、屋外での使用は向きません。主に内装の目地に使われます。
シーリング材の製品形態
シーリング材には以下の2種類があり、硬化方法が異なります。そのため、用途や部材、施工箇所の規模や環境に合わせて製品形態を選ぶことが重要です。
- 1成分形
- 2成分形
1成分形
1成分形は主にカートリッジ式で、コーキングガンに装填して使用します。硬化方法は以下の3つが挙げられます。
湿気硬化 |
空気中の水分と反応して、表面から硬化する |
乾燥硬化 |
含有水分や溶剤が蒸発することで硬化する。硬化すれば不溶性となる特徴を持つ |
非硬化 |
表面のみ硬化して内部は硬化しない |
2成分形
2成分形は、基剤と硬化剤を混ぜて使います。使用する際は2液系コーキングガンや撹拌機などが必要ですが、硬化速度のコントロールがしやすくなるメリットがあります。
用途に合わせて最適な種類のシーリング材を選ぼう
シーリング材には、外壁材にかかる負担や衝撃を吸収したり、雨水の侵入を防いだりする役割があります。種類によって特性が異なるため、使用前に使用箇所の環境や素材との相性をチェックしましょう。