屋根リフォームのカバー工法とは?費用相場とメリット・デメリット
屋根の改修方法の1つとして注目されているカバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて補修する工法です。従来の葺き替え工事と比べて工期が短く、費用も抑えられることから多くの家庭で採用されています。しかしカバー工法は、全ての屋根に適用できるわけではありません。
そのため、カバー工法の特徴を十分に理解したうえで導入できるか確認することが重要です。本記事では、カバー工法の仕組みと工事費用、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
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目次
カバー工法とは
カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せずにその上から防水シートと屋根材を被せるリフォーム方法です。この工法は「重ね葺き」や「カバールーフ工法」とも呼ばれ、既存の屋根材をそのまま再利用するため、撤去費用や廃材処理の手間を削減できます。主にスレート屋根や金属屋根に適用されることが多く、新しい屋根材として軽量なガルバリウム鋼板屋根を使用することで建物への負担を最小限に抑えられます。
カバー工法の費用相場
カバー工法の費用は、一般的に1㎡あたり約8千円から1万円になります。一戸建て住宅の標準的な屋根面積では、総額で50万円~150万円程度になることが多いです。ただし、既存の屋根の状態や使用する屋根材の種類、屋根の形状などによって費用は変動します。そのため、より正確な相場を知りたい方は、複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめします。
カバー工法のメリット
カバー工法は従来の葺き替え工事と比較してメリットが多い工法です。特に費用や工期の面において実用的なメリットが多く、近年採用される機会が増えています。以下では、カバー工法の魅力を3つ紹介します。
屋根の機能が向上する
カバー工法のメリットは、屋根の断熱性や防水性が大幅に向上するといった点です。新しい屋根材を既存の屋根材の上に重ねて2重構造にするため、より高い防音効果も期待できます。新しく重ねる屋根に特殊なコーティングを施すことで、遮熱性能や防錆性能を持たせることもできます。
費用を抑えられる
既存の屋根材を撤去しないため、廃材処理費用や撤去作業費用がかかりません。その結果、葺き替え工事に比べて費用を抑えることができます。解体作業や廃材処理にかかる費用が省けるだけでなく、作業時間の短縮により人件費も抑えることができます。
工期が短い
カバー工法は既存の屋根をそのまま活用するため、7~30日程かかっていた従来の葺き替え工事と比べて工期を約半分に短縮することが可能です。5~14日と工期が短く騒音や振動も比較的少ないため、居住者や近隣住民の生活への影響も抑えられます。
カバー工法のデメリット
カバー工法には数々のメリットがある一方で、検討すべき重要な課題も存在します。特に既存の屋根の種類や状態によっては、適用できないケースがあることを理解しておかなければなりません。また、工事後の長期的な影響についても考慮が必要です。以下では、カバー工法を検討する際に注意すべきデメリットについて解説します。
施工できない屋根がある
カバー工法は、全ての屋根に適用できるわけではありません。既存の屋根材や下地が著しく劣化している場合は、屋根材を全て新しく取り替えたり補修作業を行ったりしなければならないため、カバー工法ではリフォームできません。また瓦屋根などの重量がある屋根材は、新しい屋根材を重ねると家屋に荷重がかかるため、カバー工法が適用できないケースが多いです。
耐震性能が低下する可能性がある
屋根材を重ねることで建物への負荷が増加し、耐震性能に影響を与える可能性があります。ほとんどの家屋では問題ありませんが、特に築年数の古い建物や既に重ね葺きが行われている屋根では注意が必要です。
屋根材の種類や劣化状況からカバー工法が適しているか見極めよう
本記事では、カバー工法の仕組みと工事費用、メリット・デメリットについて紹介しました。カバー工法は費用や工期を抑えつつ、屋根の機能を向上させる優れたリフォーム方法です。ただし、屋根の状態や屋根材の種類によっては適用できない場合もあるので注意しましょう。