外壁に施された塗装は、経年劣化や自然災害により剥がれることがあります。塗装の剥がれた外壁は、外観が悪くなるだけでなく、雨漏りを招いて建物の安全性が低下するおそれがあるため、放置せず早急に対処するべきです。本記事では、外壁塗装が剥がれる原因と補修する方法を解説します。

この記事を読むための時間：3分

外壁塗装の剥がれが発生する原因

外壁塗装が剥がれてしまう主な原因には、以下の3つが考えられます。

• 経年劣化
• 施工不良
• 自然災害

経年劣化

塗膜は年月とともに劣化して、耐久年数を超えると、剥がれやすくなります。塗装の施工後、10年程度で剥がれが発生した場合は、経年劣化が原因と考えられます。ただし、塗料の種類や周辺の環境によっては、10年以内でも剥がれるケースがあるので、定期的に外壁の状態をチェックしましょう。

施工不良

施工から1年以内に塗装が剥がれてしまった場合、施工不良が原因の可能性があります。塗装の剥がれにつながる施工不良には、以下が挙げられます。施工不良が原因で塗装が剥がれた際、工事保証が付いていれば、無料で補修できるケースがあるので、保証の有無や内容を確認しましょう。

• 洗浄、下地処理が不足している
• 洗浄後にしっかり乾燥できていない
• 下地と塗料の相性が悪い
• メーカー既定の塗布量を守っていない

自然災害

地震や台風などの自然災害も、外壁塗装が剥がれる原因の一つです。災害の種類や規模によって、剥がれ方や範囲は異なります。自然災害が起きた後は、外壁に異常がないかしっかりチェックしましょう。

外壁塗装の剥がれを放置するリスク

外壁塗装が剥がれてしまった際、放置すると以下のリスクが高まります。剥がれを発見したら、そのままにせず早めに業者へ相談しましょう。

• 雨漏りが発生する
• 建物の安全性が低下する
• 建物の資産価値が損なわれる

雨漏りが発生する

外壁塗装は、建物を雨水から守る防水の役割があります。その塗装が剥がれてしまうと、雨水が外壁に染み込み、家の中に入り込んで雨漏りの原因となります。

建物の安全性が低下する

外壁や建物に雨水や湿気が染み込むと、建材の腐食や内部結露、金属のサビやカビの発生を引き起こします。これらの症状が進むと、耐震性や断熱性、防音性が著しく下がり、甚大な被害につながるおそれがあります。

建物の資産価値が損なわれる

外壁の塗装が剥がれている状態では外観が悪く、建物の価値が下がってしまいます。また、塗装の剥がれが原因で起きる劣化症状を放置すると、安全性だけでなく資産価値も大きく低下するおそれがあるため、注意が必要です。

外壁塗装の剥がれを補修する方法

塗装の剥がれを補修する方法には、以下の4つが挙げられます。

• 塗り替え
• 張り替え
• カバー工法
• DIY

塗り替え

外壁塗装の塗り替えとは、剥がれた箇所の上から塗料を塗布して補修する方法です。ただし、剥がれの範囲が広い場合は、塗膜を剥離して外壁全面に塗装するケースもあります。

張り替え

張り替えとは、外壁材を新しいものへ張り替える補修方法で、剥がれが発生している箇所のみを張り替える部分張り替えと、全体を交換する全面張り替えの2種類があります。工事期間が長く、コストがかかりがちですが、外壁を新しくできるので防水や断熱性能がアップすることがメリットです。また、古い外壁を撤去した際に、外壁内をチェックできるので、外壁の他に補修が必要かどうかを正確に判断できます。

カバー工法

カバー工法は、剥がれがある外壁の上に新しい外壁材を貼り付けて、古い外壁材を覆う工法です。外壁材が二層になるので、断熱性や遮音性が上がるメリットがあります。一方、デメリットには建物自体の重量が増えるため、耐震性が下がるおそれがあることが挙げられます。また、既存の外壁材と新しい外壁材の相性によっては、カバー工法が行えないケースもあるため、事前に確認が必要です。

DIY

剥がれている範囲がわずかであれば、DIYで補修できる可能性があります。自力での補修はコストを抑えられることがメリットですが、プロのようにきれいに仕上げるのは難しいでしょう。また、塗装剥がれによって、建物が受けたダメージを正確に診断できないので、安全性が下がっていることに気が付けないおそれもあります。そのため、外壁塗装の補修は業者に依頼することをおすすめします。

外壁塗装の剥がれは放置せず早めに補修しよう

外壁塗装の剥がれをそのままにすると、雨漏りが発生しやすくなり、建物の安全性や資産価値が下がる危険があります。僅かな剥がれでも放置せず、早めに業者に相談しましょう。